白金
March 15, 2008
学生街の薬膳カレー店
北里大学白金キャンパス内の寒緋桜(カンヒザクラ)がきれいに咲いている。沖縄で桜と言えば、この寒緋桜を指す事を今回知った。花は釣鐘状で咲くのが特徴のひとつ。近づく程に「サクラ...かな?」と初めて見る人に宿題を持ち帰らせるような咲き方をしている。
「麻布亭LINO」の営業開始時刻は公称午前11時30分なのだけど、ゆっくりと11時50分に来てもまだ「準備中」。すでに男性1名が開店を待っている様子で、周辺10メートル以内を行ったり来たりしていた。
いつも11時半きっかりに暖簾が店頭に掛けられ開店している、二軒隣の「三合庵」に入ろうかと迷いながら、道路越しに店の写真を撮っているとLINO開店!今日のランチは、やはりオーナーと語り合いながらの薬膳カレーにしよう♪と、先の男性客に続いて入店した。
「麻布亭LINO」については「東京カリー番長の神様カレーguide150」の中で、「食通たちをうならせた幻の薬膳カレーとは?」との表題で始まる記事で紹介されている。
私がオーナー洲嵜晴彦氏と初めて出会ったのは創業店時代の頃だった。ただ麻布亭ではなく銀座の某有名バーがきっかけだった。元々はデザイン会社の社長が趣味で友人達にふるまっていたカレーがクチコミで評判となり、商売になってしまったという特異な経緯が面白い。
そんなストーリーを知ったのは、白金散策中にLINOを偶然見つけてからネット情報を検索した結果からだった。その創業店、南麻布4丁目時代の「麻布亭」オリジナルプレートがLINO店内に飾られている。
カレースープは40種類以上のスパイスで作られているという。10日間かけて仕上げられたそのスープには、噛みしめるとまだ食材やスパイスの歯応えを感じる粒状に残っているものもあるのだけれど、個体の味はスープの旨味になってしまい、個々には判らなくなっている。
スプーンで少量のライスと多めのスープをすくい、バランス良く配合されたスパイシーな味を楽しんでいると、三口目には目の下頬骨の辺りにだけ発汗し始める。前回は頭頂部だけだったのに、今回は頬骨上部、その後頭頂部に発汗。何かの体調を表すシグナルなのだろうけど、残念ながら解らない。
今回はピクルスと一緒にニンニクが一粒添えられていた。自分とニンニクとの相性がいまだに全く判らず、ダメな時は半日体調を崩してしまうので、私には注意が必要な食材。残していると洲嵜氏が「大丈夫だから食べてみて」と促すので、恐る恐る食べてみると...これが無味無臭の不思議柔らかニンニク。蒸し上げてからピクルスと一緒に漬け込んでいるとの説明。これなら大丈夫そう。(事実この日は一日体調を崩すことなく、むしろ元気に散歩しまくる事が出来た)
卒業シーズンになると、この店に通った学生の親が挨拶に訪ねてくる事も多いと言う。「どの学生の親なのかが判らない事が多いんで、有り難いんだけど困っちゃって」と、眉をハの字にして語る洲嵜氏。そんな楽しい話を今回もたくさん聞かせていただいた。もちろん興味深い銀座の話題もあったけど、それはお楽しみに。ごちそうさまぁ♪
東京カリー番長の神様カレーguide150
February 16, 2008
白金の蕎麦名店
その暖簾をくぐると順番待ち用のベンチ席が入り口扉前にあり、開店数分前には数組の客がこの席に座って開店を待っている。
「せいろ」を注文すると、その量は見た目「並木藪蕎麦」と同じような感じがしても、実際に食してみるとこれが意外に食べ応えがある。ソバを盛り付けているざるの形が凸状の並木藪とは逆に凹状になっている事が大きいのかもしれない。
冷水でキリッとしめられている麺のコシがいい。ツユは大好きな濃いめの辛口で並木藪蕎麦の味に似ている。ズズズーッとモグモグ、あぁ旨い。
ソバが旨けりゃそば湯も旨いっ!ソバのうまみが溶け込み、トロトロ濃厚で熱々のそば湯。少量残った辛口ツユに継ぎ足していただくと、これが美味。ソバだけを追加で一皿注文もできるけれど、それではこのそば湯を楽しむにはツユが足りなくなってしまう。量的に物足りない人には、新たにせいろを別オーダーする事をお薦めしたいもの。
January 19, 2008
モヤモヤさまぁ〜ず風白金散策の末に薬膳カレー
テレビの天気予報によると明日は雪。そんな天候の予兆なのか今日の午前中からしてかなり寒い。(日本最大級の天気・気象情報サイトは確認しなかった。)
北里大学東洋医学総合研究所の駐車場に車を置いて最初の用事をまず一段落させたのが午前11時。また戻らねばならないので、ランチは近くの麻布亭LINOと思って行ってみると開店は午前11時30分だった!入口扉前で大寒迫る冷たい風にさらされながら「(さて、どうやってこの寒空の下で時間をつぶそうか...)」と暫し自問。あれこれと考えながらも自然とジャケットのファスナーを締めマフラーを巻き直し手袋もした段階で、開店までなんとなく白金散策する事にした。
さまぁ〜ずのようにゆるぅ〜くモヤモヤと前回とは違う路地に入ってみたり...したけど新しい発見はなかった。そうして11時40分に店先に戻ってみても近くの三合庵は営業を開始していても麻布亭LINOにはまだ営業する気配がなかった。土曜は定休日になったのだろうか?体が冷えてしまったので北里へ避難。その後しばし後半の用事で時間を費やしたあとは個人的に休日モードにようやくなったので、遅い昼食は美味しい蕎麦でもと三合庵に行こうとしたら麻布亭LINOが営業していた(!)。
そこで三合庵のソバは別の機会にいただくとして、今私の胃腸に必要な適度なスパイスを求めてようやく麻布亭LINOに入店。
今日のランチタイムは薬膳カレーのみ。勿論それをオーダーすると10分ほどで運ばれてきたのは一見キーマカレー風。
しかしそれがキーマカレーにしては粒は細かく、その他の材料が溶け込む途中の食感を残していて、複雑なスパイスと混じり合っていて内容が全く分らない。
食べ始めて数分もすると、頭部にだけ発汗が始まった。普段は身体や体調に合ったスパイシーなカレーをいただくと、何故か頭部と頬骨付近に発汗するのに、今回は頬骨付近含めて顔には汗をまったくかかない不思議なスパイス配合。体調の具合(不具合)を示す何かのサインなのだろうか、とも考えてしまう。
サービスのシャーベットをいただいて一息してからお会計。帰り際にまず私から、
「今度また銀座のバーで飲みましょう」
するとご主人
「定休日の火曜日なら銀座に行けるから」
:
その時はきっと銀座K**n**で合流となるのだろう。楽しみがひとつ増えた。
September 08, 2007
薬膳とバーがつなぐ銀座の縁
港区白金にある北里研究所前の通りにはたくさんの飲食店が軒を連ねている。漢方薬治療で有名な東洋医学総合研究所が周辺に多少の影響を及ぼしているのだろうか、漢方や薬膳を店頭メニューに紹介しているお店が多い。
そのなかの一店、交番近くにある「麻布亭LINO」の前で足が止まる。「(あざぶてい...かれー...)」と、突然10数年前の銀座での記憶が蘇ってきた。この白金から近い南麻布で「麻布亭」という予約制カレーレストランを経営していたオーナーと銀座で出会った思い出...
その夜も前夜と同じように私は銀座のバー「K*****」でマスターやバーテンダー達との会話を楽しみながら一人グラスを傾けていた。カウンター席には私から4席を空けた奥の席で、このバー開店時からの常連客らしい年配の紳士が久し振りのマスターとの再会を喜んでいる様子。聞かぬよう努めても聞こえてしまう会話は仕方がないが、夜の銀座で知った事は「見ざる言わざる聞かざる」が大原則。バーテンダーの取り次ぎ無くしては他のカウンター客との会話には割り込んではならないのが大人のマナー。
その時は常連客二人だけの夜だったからなのか、マスターがカウンター越しで1:2の接客をしてくれたおかげで自然と共通の話題になっていった。銀座の大先輩客は全快祝いで久し振りの銀座らしかった。私はマスターにお薦めの一杯をお願いし、若輩者から大先輩へのお祝いの酒として贈らせてもらった。しばし三人で銀座や酒話題で盛り上がった後、「お返しに一店紹介しましょう」と大先輩のお誘いに、「是非」と若輩なる腰巾着に豹変の私。それがきっかけで「バーくに」を知る事が出来た...
...そんな銀座の夜の出来事を、走馬燈と表現するような感覚ではなく炎天下で24倍速のフラッシュバックモードで思い出していた。ランチ時間が終わった休憩(仕込み?)中に店内へ。厨房から登場したのは見覚えのある顔。そして私の記憶に印象的に残っているオーナーの名字の珍しい漢字。やはりあの夜に銀座で出会ったかただった。
もともとの南麻布店を閉め、今は第2号店だったこのお店だけで薬膳カレーをメインに営業されているそうな。このような偶然な再会が出来てとても嬉しかった。お元気そうでなにより。次回は営業中に訪問し薬膳カレーをいただきたいと思っている。オーナーはこのような御仁。
September 06, 2007
漢方薬は香港よりも北里がいい
人気の研究所ゆえに予約時刻前に行っても最後に漢方薬を受け取るまで意外な時間がかかる。それだけ慎重にじっくりと検査してくれているのだとも思う。待っている間に隣棟の「北里研究所病院」2階にあるレストラン「つくし」へ。ありふれた食堂メニューなのだけど、その中で山菜そばを食べたかった。ここは「北里メディカルサービス・レストラン事業部」が運営する店舗のひとつなので、ふつーの味なのに食材の安心感が違う。とろろも追加すると、ウズラの玉子がのった小鉢が添えられてくる。
ソバ自体にあれこれコメントするつもりはなく、ただネギや山菜を1本も逃さずにむさぼり食らう合間にソバ♪時々とろろ、みたいなリズムで食べていた。最後にはスープを飲み干し、器の底に残ったのは三口分程のソバ...。この証言と状況証拠で解っていただけるとありがたい。
今回調合していただいた漢方薬の香りは、以前香港の某有名漢方薬店で北京大学教授に調合していただいたものをハッキリと思い出させてくれた。同じような診察結果ということなのかも。それにしても1回分の量がかなり凝縮されてかさばる事無く持ち帰りやすいし、初診料や診察料に円安を加味しても香港に比べて北里は安心リーズナブルでありがたい。また行かなきゃ。
June 21, 2006
白金台エピセを訪問
久しぶりに「エピセ(Epice)」を訪ねてみた。
再訪せねばと思いながら半年以上が過ぎてしまった。考えるとオーナーバーテンダー細川氏との付き合いは長い。
まだ私が若さの勢いで六本木のバーでも飲み歩いていた頃、細川氏と出会った。そこはイタリア系飲食店が集まるお洒落なビルに入っていたバーだった。明け方までこの酔っぱらいを優しく受け入れてくれた。
その後西麻布交差点近くのバーを任されたとの連絡があり、それが大きなきっかけとなり六本木を通り過ぎて西麻布で遊ぶようになった。そのバーを基点に西麻布界隈の色々なお店を知る事が出来た。やはりこのバーでも週末の酔っぱらいに普通に対応してくれた。
そんな思い出を語り合える数少ないバーテンダーとの再会は偶然だった。
ある日何気なくキーワード設定して検索すると...ヒット!!素晴らしくも恐ろしいインターネット情報世界。
それから訪問間隔は長くなりがちでも通っている大切なバーのひとつとなっている。
今夜もビールから。今夜は木村硝子ではなくセパレート式のビールグラス。
2皿目に出された生ハムが濃厚で味わい深く、ビールにもお任せカクテルにも合っていた。
今夜はまだこれから行かねばならぬバーが...。でもいつかはここで飲み果ててみよう。
若かった作り手と、若かった飲み手の成長物語。
May 02, 2005
今夜は白金から、そして銀座へ
GWの谷間に早速訪問。夜の白金界隈は意外にも人通りが少なく静か。プラチナ通りの一本裏通りにあるビルの表階段を2階の入り口へ。気が付いてもらえるのに一瞬の間、そしてコケるように笑顔で歓迎していただく。スタンダードからオリジナルのカクテルを積もる話を交わしながら美味しくいただく。気が付いたら午前2時前後...
エピセの閉店後、細川氏と一緒に銀座アールスコートへ移動。田中京氏は雄弁に語るわ、私は飲んで笑って...、後半の記憶が...。
バーエピセ
東京都港区白金台4-8-14 プラティーヌD-2F
03-3443-4448
アールスコート
東京都中央区銀座7-7-11 第一菅原ビルB1
03-3575-1075
今夜は飲み過ぎました。気が付いたら早朝に築地で買い物していましたし。途中の記憶が...消えてる。今回も無事生還。その中で翌日いただいた牛肉はとても美味いものでした。誰が買ってくれたのだろう...。自分ではないような気がする...、コワ。