January 09, 2009

ブルータス、お前もか

シェイクスピアの「ジュリアス・シーザー」ではなく、マガジンハウス社の「BRUTUS」のお話。

BRUTUS 654号魅力的な人物達の生き方が紹介されている内容が面白そうだったので、久し振りにその654号を購入してみた。

表紙の写真配置からして面白い。上にチェ・ゲバラを配したその対局の右下にジョン・フィッツジェラルド・ケネディを配している。白州次郎を中央に、そして白洲正子と重ねつつ並べて配し、しかも「白洲次郎プリンシプルのない日本」に「白洲正子の世界」の表題が上手に重ね合わされ、夫婦の関係と個性が表現されている。右上にはキャラクター相関図で言えば手塚治虫ではなく酒を愛したギャグの赤塚不二夫のほうが確かに表紙のバランスはよかったのだと思う。なぜかと考えると、やはり酒を愛し昭和の激しい時代を覗き、ベトナム戦争で激戦中にサイゴン特派員として九死に一生を得た開高健の写真が酒つながりで赤塚氏と重ねられ、しかもベトナムつながりでケネディと重ねる事が出来る。

さて、これらの人物達に囲まれつつタイトルロゴの中央真下に誰の写真を持ってくるか。デヴィ夫人だと、あまりにも戦後日本政治経済の裏世界を感じ入ってしまい重たくなってしまう。やはりこのポジションには、自立した女性の美しさを今でも貫いている岸恵子なのかもしれない。南回りでパリまで50時間かかったという1950年代に、20代で単身渡仏してからの彼女の生き方には凛とした美しさを感じている。個人的にフランスの企業とそこに勤める有能な女性達にも仕事人として育ててもらった影響もあり、尚更そう思うのかも知れない。ちなみに、岸恵子の対局の表紙中央下部、しかも軸のぶれた右寄りに配置された俳優は勝新太郎だった。

今回のBRUTUS654号内容で意外だったのは、前述のデヴィ夫人が紹介されていなかった事。彼女は現在テレビのバラエティ番組での露出が多いので、彼女の生き様を知らない人が多いのは仕方がないのかも知れない。一方で椎名林檎が2ページ見開きで紹介されていた。編集者の意図をつかめないページだったが、強いて考えると読者年齢層に配慮した結果なのかも知れない。誤解のないように遊飲美食読者に伝えておきたいのは、私は椎名林檎フアンの一人で、NHK初出演ステージはオンエアで観て聴いている。歌い終わった時に「ポッと出でスミマセ〜ン」とマイクではなくハンドスピーカーで申し訳なさそうな低姿勢が印象的だった。NHKホールで開催収録された「“Domestic!” Just Cant’t Help It. Tokyo Incidents」ライブCDジャケットには私は後頭部で出演し、その後武道館ライブにも行っている。だけれどもやはり椎名林檎が大きな扱いだったのは意外だった。

BRUTUS 654号106頁読みながらのそんな思いも楽しいもので、今回のBRUTUS654号は面白く仕上がっていると読み進め、106ページの「宇宙へ旅立ったライト・スタッフ」。右端写真のイエーガー(Chuck Yeager)は大卒ではなかったがゆえに、有人宇宙飛行「マーキュリー計画」の7人には選ばれず、結局地上数万メートルでマッハの記録更新し続けたテストパイロットとして航空史に名前を残した印象が大きすぎ、表題から考えると微妙なるポジション。ただこの人物を語らずして宇宙への航空史は語れないところもある。むしろもう一項目として見開き2ページに航空史に関わる人物紹介として「空へ飛び立った飛行士」なる記事も欲しかったところ。ライト兄弟にチャールズ・リンドバーグ、そしてイエーガー、日本人ならライト兄弟前に設計図を完成しながら陸軍から予算を与えられなかった二宮忠八か、女性初のパイロット兵藤精だろうか…。
…そんな事を考えながら隣の写真と記事を読むと中2枚の人物写真が入れ違っているっ!!きっと校正前は右から二番目の写真は最初に月面に足跡を残したニール・アームストロング船長(Neil Armstrong)で、次にオルドリン(Buzz Aldrin)の写真が来るはずだったのだろう。

BRUTUS 654号106頁【宇宙へ旅立ったライト・スタッフ】左は106ページの接写画像。中央右で「Neil Armstrong」と紹介されている記事の写真は「オルドリンBuzz Aldrin)で、左の写真が人類最初の一歩を月面に残した「アームストロング船長Neil Armstrong)。私としてはなぜにこのページで、司令船上で月面作業チームの帰還を待っていた「コリンズCollins)」が紹介されていないのかが納得出来ないところ。3人で月面到達・地球帰還チームであり、コリンズはこのページ表題に相応しい英雄のひとりなのだから。

マガジンハウス社と副編集長に二人の写真の入れ違いをメール連絡をすると、早速「2月2日発売号の最終ページに訂正を掲載」との返信が届いた。読者にはとても評判が良かった内容だっただけに、この部分の転記と指示ミスがとても残念そうだった。今回の件では業務指示の結果確認は必要とあらためて感じさせられた。次回からの特集は、大学、農業、ラジオ、そして猫と続くので、楽しみにしていて欲しいと知らせていただいた。それに加えても、たまにはポパイにも目を通さねば…。

銀座飲み仲間の一人、マガジンハウス社某編集長とはしばらく夜の銀座で会っていなかったので、今回の件は知らせない事にした。



トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔